クローゼットがパンパン。
収納ケースを増やしても、どこか落ち着かない。
でも捨てるのは、なんとなく怖い。
そんなとき日本でよく出てくる解決策がある。
「外に収納を借りる」という発想だ。
トランクルーム自体は海外にもある。
ただ、日本ほど「暮らしの延長」として使われている国は、体感として多くない。
今日はこの違いを、文化の“視点ズラし”として眺めてみる。
日本では「減らす」より先に「どこに置くか」を考える
日本の暮らしは、どうしても空間が限られる。
その中でモノが増えると、思考は自然にこう流れる。
- モノが増えた
- 収納が足りない
- 収納を増やす(ケース/棚/外部収納)
- とりあえず、どかして落ち着く
ここで面白いのは、
「何を手放すか」より、「どこに置くか」が先に来ること。
それは怠けでも弱さでもなく、ただ日本で育った合理性だ。
捨てるには判断がいる。
「高かった」「まだ使える」「いつか必要」――そう考えるほど、捨てるのは難しくなる。
だから、まずは“外に出す”という解決が選ばれやすい。
海外にもストレージはある。でも「役割」が違う
もちろん海外にも、セルフストレージ(Self Storage)はある。
ただ、使われ方の“主役”が少し違う。
- 引っ越しの前後
- 住み替えまでの一時保管
- 人生イベントの通過点(留学・転職など)
いわば「一時避難」の性格が強い。
一方で日本は、トランクルームが暮らしの平常運転に組み込まれることがある。
ここに、消費感覚の違いが表れる。
トランクルームは「おすすめ」ではなく、文化の証拠
ここで誤解してほしくないのは、
トランクルームが良い/悪い、という話をしたいわけではないこと。
むしろ、トランクルームが普通に成立している、という事実そのものが、
日本の暮らし方をよく表している。
このリンクを踏むかどうかは、読者が決めればいい。
ただ、こうしたサービスが日常的に利用されている――その前提だけは、覚えておくと面白い。
日本では「余白」をつくるより、まず借りるという選択があり得るのだ。
“外に借りる”が生む安心と、先送りされる決断
外に収納を借りると、部屋は一気に片付く。
視界が整うと、気持ちも整う。
これは、すごくわかりやすいメリットだ。
でも同時に、別の動きも起きやすい。
それは「決断の先送り」だ。
「今は使わないけど、いつか使うかも」
「捨てるほどじゃない」
「とりあえず取っておく」
この“とりあえず”は、悪ではない。
ただ、日本の消費感覚の癖として、とてもわかりやすい形をしている。
私たちはしばしば、モノの問題を「置き場所」で解く。
視点をひとつズラすと、選び方が変わる
もしあなたが、収納に困っているなら。
「トランクルームを借りる/借りない」の前に、ひとつだけ問いを置いてみてほしい。
これは“モノの問題”なのか、
それとも“決断の問題”なのか。
どちらが正しい、という話ではない。
ただ、そう問い直すだけで、選び方は少し変わる。
日本の暮らし方には、日本の合理性がある。
そして私たちは、その合理性の中で育った。
だからこそ、外から眺めると面白い。
まとめ
トランクルームは海外にもある。
でも日本では、「暮らしの延長」として使われることがある。
その背景には、「減らす」より先に「どこに置くか」を考えるという発想がある。
それは弱さではなく、日本で育った合理性だ。
そして、この視点ズラしは買い物にも効いてくる。
正解探しを続ける前に、「自分は何に安心しているのか」を見てみるといい。